空の落下地点

桜桃の味の空の落下地点のネタバレレビュー・内容・結末

桜桃の味(1997年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

クルド人、アフガニスタン人、トルコ人。主人公の死を望まなかったそれぞれが桜桃のメタファーである。主人公は、死のうとしなければその実に手が届くこともなかった。自殺は罪だが、自殺の欲求もまた学びの端緒。死にたいと思わせるところまでが神の導き。クルド人の少年が一番印象深いかな。たとえ元軍人の先輩だろうと、嫌なことからは逃げていい。逃げることで救ってる。もしも満月の話を聴かなかったら、目を閉じてしまったかもしれない。世界を美しく保つだけで誰かの命を救っている。自然の美しさは、魂に借景として映る。ホテルの外から見送った木の実たちは、きっと彼におかえりを言うことになる。
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