ひろゆき

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のひろゆきのレビュー・感想・評価

4.4
銀幕短評 (#113)

「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」
2018年、アメリカ。 1時間56分、公開中。

総合評価 88点。

邦題は仰々しいが、原題はシンプルに「ポスト紙」。米国「ワシントン・ポスト」紙の略。

内容を知らないで見たけれど、大層おもしろい。

スティーブン・スピルバーグ監督、ジョン・ウィリアムズ音楽、主演 メリル・ストリープ(68才だが きれいだ)、トム・ハンクス(61才だが 太りすぎだ)。アカデミー賞ノミネートが、作品賞、主演女優賞と なかなかの充実ぶりだ。

1971年(大阪万博の翌年)を舞台に、アメリカ新聞メディアと当時政権の暴走との戦いをえがく。この映画は、現トランプ政権への痛烈な批判のメッセージを 力強く発信している。

わたしの興味を強くそそったのは、当時の超アナログな 新聞作成工程である。
記者がタイプした原稿に 校正者が赤を入れ、エアシューター(みんな知っているのか?)で、編集部から印刷部に送る。そこでは 活字を一字ずつ手で拾い 活版を組む。ゲラをチェックして輪転機にかける。
こういう描写は大好物だ。アメリカ映画の時代考証は たいていの映画で優れているな。

結論

ペンは 剣よりもメチャ強し。

登場人物たちが、いずれも誇りをもって己れの職務を全うするさまは すがすがしい。

(おまけ)

作中、アメリカの裁判制度(基本的に、一般市民から選ばれた陪審が有罪無罪を多数決で決し、裁判官が量刑を決める)が顔を出す。

わたしも陪審員選出通知の郵便を受け取ったことが、在米中に一度だけある。住民リストから 統計的に無作為にサンプリングするから、こういう間違ったことが起きる。

おののきふるえる手で英文の通告文をよくよく読むと、選出免除の理由の選択肢がいくつか列記してある。

わたしが力強くマルをつけて返信した理由は、
「自分は英語がへたっぴいだから無理!」

アメリカは合理的な国だ。
ひろゆき

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