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セザンヌと過ごした時間ののんchanのレビュー・感想・評価

セザンヌと過ごした時間(2016年製作の映画)
3.8
画家ポール・セザンヌと小説家エミール・ゾラの40年に渡った友情を描いた伝記映画。

セザンヌは父親が銀行家の裕福な家庭、ゾラは貧しい移民の家庭で育った。
中学で2学年下のゾラがイジメられていたのを助けたセザンヌ。その後、ゾラがお礼にリンゴを届け友情が始まったのだった。

学生時代から2人は共に芸術家になる夢を持っていた。
ゾラは先にパリに出て作家として成功していくが、セザンヌは全く世の中に認められず長い不遇の時を過ごしていた。
性格は正反対で、ゾラは思いやりがあり優しいタイプ。
セザンヌは短気で人付き合いが悪くぶっきらぼう。というか絵が認めてもらえない苛立ちに満ちていた。
女性の付き合い方にしても真逆。
2人は友情が根本にあるものの、嫉妬の感情もあり衝突するのだった。

ゾラが小説「制作」を発表する。するとセザンヌはその内容がまるで自分がモデルになっていると責めてブチ切れる。
(一般的には40代後半で絶縁したとされているが、2014年にセザンヌがゾラに会いに行くとの手紙が発見されている)
監督は2人がその後も会っていたという仮説で制作している。

セザンヌは戸外での制作を好み、プロヴァンスの山々で風景を描いているエンドロールは圧巻。

画商ヴォラールの尽力で名声を得ていく。
67歳で肺炎で亡くなる時も絵筆を握ったままでこの世を去った。
今では世界中の美術館で飾られている。


"近代絵画の父"とされるセザンヌはその後多くの画家に影響を与えた。
"絵の神様"アンリ・マティスや"我々の父"パブロ・ピカソ等に


パリの画材屋兼画商のタンギー爺さんが出て来たときは、ちょっと嬉しくなった。
セザンヌより若いゴッホの映画の中で良く出てくるし、ゴッホの絵にもなってますからね。
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