冬の朝、若い女の凍死体が見つかった
死ぬ前に出会った人たちの証言で綴られるモナの最期の2週間
モナはちょっとした手伝いで日銭を稼ぎながらテントで寝たり知り合った男と空き家に泊まったりしつつヒッチハイクで旅をしていた
仕事を勧められても「人に使われたくない、楽して生きるの」と言うだけで誰にも心を開こうとしない
何を望んでいるのかこれからどうしたいのか一切わからない
女性が自由に生きていくのが難しい社会の中で若い女が一人で旅をするということはどういう現実が待っているのか
男はだいたい下心を持って声をかけてきて彼女の身体や金品を搾取するか見下して説教する
親切に対等に接してくれる人も少なからずいたがこの割合が社会の縮図なのかも
一緒に笑ったり、ちゃんと関われなかったことを後悔したり、彼女みたいに気ままに自由に生きたいと言ったのは女性だけ
労働もしない、社会秩序も守れない、ありがとうすら言えず他人とちゃんと関われないモナのような人間はこの世界で一人で生きていくのは難しい
これはモナの物語というよりモナのような人を世間がどう見ているかの話だったのかも