旧ユーゴに多勢いるジプシーのあるコミュニティの物語です
監督が実際にジプシーの居住区で暮らして取材したそうで実在のジプシーも多勢登場するのでリアリティ大です
『パパは出張中』の次の作品でその時の主人公のお兄ちゃんが今作の主人公でここでもアコーディオン弾いてます
釣り上げられた家、花嫁の浮遊、超能力、幻想、猥雑でエネルギッシュで社会秩序に囚われない人たち、動物もいっぱい出てきます
川に灯明を浮かべるジプシーのお祭りのとても美しいシーンもあります
ここから『アンダーグラウンド』に繋がるんだなと納得
純粋だったジプシーの青年が都会へ出て変わっていくが最後は悲しい形で家に戻ってくるというストーリー
ただつらく悲しいだけで終わらせず最後の彼の息子の行動でジプシーたちはこれからもたくましく猥雑に生きて行くんだろうなと感じさせられました
まともな教育も受けられない彼らがここから抜け出すのは難しいことです
このような移動生活者のことをジプシーは差別用語だとして日本ではロマと呼称していますが、ロマと呼ばれることに強い抵抗のある集団もいてフランスなどではジプシーを使っているようです
呼び方で問題が解決するわけではないですよね
