マイノリティ

ソウルメイト/七月と安生のマイノリティのレビュー・感想・評価

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)
4.7
フォロワーさんのyuuuumiさんのレビューに感動して今作を鑑賞しました。

めちゃめちゃ良かったです!

そして正直怖いです。
僕の貧困で単純なボキャブラリーで今作の良さをお伝え出来るか不安です。

だったら書くなよ!って話ですが(苦笑)

ですが、ですが!
今作の良さをお伝えしたい!

いや、もう何を思われようが知らん!

ざっくり言うと中国に住む二人の女性の物語です。

安生(アンシェン)と七月(チーユエ)。
彼女達は13歳の時に出会います。

正に自由奔放を絵に描いた様な超ポジティブ思考のアンシェン。

控えめで真面目。本が大好きなチーユエ。

対照的な二人はお互いで惹かれ合います。
歳を重ね、周りの状況や環境が変わっていくのは二人にとっても例外では無く、それぞれ進学、仕事、そして恋愛。

深い所では理屈抜きで解り合っているはずなのに、それがまるで呪縛の様に二人を縛りつけ息苦しくさせます。

当たり前に「愛しているから」と認め合う二人の思い。
その言動が嫉妬に変わり、やがて煩わしく、鬱陶しいとまで感じたお互いの思いは片や"旅"。
片や"結婚"等それぞれの道へと向かうのですが・・・。

今作は13歳から27歳までの二人の歩んできた人生を書いた小説をその作者が読む形で進行していきます。

彼女達の14年間は目まぐるしく変化していきますが、二人の言動に不自然さが無く、
いかにも「アンシェンが起こしそうだなぁ」
「チーユエらしいわあ」
とすんなり思わせてくれる演出が見事でした!

また、お互いの髪型やファッション等で時の経過を混乱させないのも上手かったです!

編集も素晴らしかったです!

そして何よりアンシェン、チーユエを演じた二人の演技が秀逸でした!
何なんでしょう!
あの自然な振る舞い!
二人の語る言葉、セリフ!

言葉を超えた二人にしか見えない"魂と魂の繋がり"。

正にソウルメイトでした!

個人的に好きなシーンは前半部分の細かい場面ですが、家庭の事情が複雑な幼少期のアンシェンが仲睦まじいチーユエ家族と食卓を
囲み、まるで我が子のように振る舞うチーユエの両親に遠慮なく応える屈託の無いアンシェンのシーン。

カットが変わり成長したアンシェンが同じ様に食卓を囲んでいます。

チーユエの両親が彼女と交わす日常会話からも彼女と両親との関係は変わっていないのが分かりますが、僕がグッと来たのは、その時のアンシェンの座る位置が変わってないんです。

時間にして数分ですが、このシーンだけでこの席はアンシェンの"指定席"としてある。

こういうのに弱いんです。

その他にも、駅でのアンシェンとチーユエとの"別れ"のシーンとかチーユエが務める職場の窓口に恋人が現れるシーンとか。

とにかく名シーン、名セリフの連続でした!

ただ、あのラストは悲し過ぎる。
だからマイナス0.3点です。

親友と呼べる方がいらっしゃる方は勿論、年齢、性別問わず誰もが満足できる作品だと思います!

はぁ。

やっぱり僕のボキャブラリーではこれが精一杯です。

けどいいんです。

アンシェンとチーユエが分かり合えているから。

彼女達はソウルメイトだから。





最後にこんな素敵な作品を鑑賞する、きっかけを、そして素晴らしいレビューを拝読させて頂きyuuuumiさん、ありがとうございました!