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ワイルドライフのminyamooomのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.5
ポールダノ初監督作品で楽しみにしてたやつ。

彼の演技が好きで、ポールダノ気分で見てたから途中であれ?ポールダノでてきてなくない?と思ったりしながら鑑賞。

すれ違う夫婦と一人息子の物語。

思ってたよりもキャリーマリガンが老けてて、息子が何歳なの?と聞くシーンで34よ、て答えるんだけど、わたしのなかでキャリーマリガンといえば17歳の肖像のイメージだから、え?!いつの間に34になったの…?と驚愕した。そりゃわたしも老けるよねぇ

この夫婦から一体どうしたらこんなにいい子が育つんだろう。

例えば恋人にフラれたり、人生がうまくいかない時って男の人は自分を探したり一人旅にでたりするイメージがある。でもそういうのって若い頃のことで、大人になって結婚して子供ができたりすると、"生活"があるわけで、そこに責任も伴っていて簡単に旅に出たりってできないよね。でもジェリーは大人になりきれていなくて、今の自分の状況から逃げるように山火事の消火へと行く。家族のことなんて1ミリも考えていなくて、自分のことしか考えてない。

そして母親のジャネットも然り。34で14の子供がいるということは、19歳かそこらで妊娠、結婚したということ。セリフの中にも大学を中退した、ていうのがあったと思うんだけどきっと青春を謳歌できずにここまできたことに何かしら後悔する気持ちがある。子供のことよりも自分のことしか考えられていない。夫がいなくなってすぐに金持ちの年上の男と浮気しようとする。ミラーのことなんて好きじゃないよね?そうやって女を使って養ってもらう以外に自分の価値も見出せず、昔はわたしだってモテたのよ、と語る。息子の気持ちなんて1ミリも考えてない。

そんな大人になりきれていない夫婦と、早く大人にならざるを得なかった息子の物語。


ジェリーが山火事から帰ってきて、ジャネットが浮気を報告して、おいおいおい!って怒るシーンで、

ワイルドライフかよ!

ていうセリフがあって(字幕忘れた、めちゃくちゃだな!みたいな感じだったと思うんだけど)、人間の本質というのはこんなもんだよ、ていうのが伝えたかったのかな。男は自分勝手で、女はそれに耐えられず安定を求める。でも互いがどんなに好き勝手に生きたとしても、それでも息子は育つ。ワイルドライフ。

ラストシーンの、写真館でのジェイクギレンホールとキャリーマリガンの演技が秀逸。いくつになれば"大人"、なんていうことはない。日々成長だなとおもう。
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