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それでも夜は明けるのminyamooomのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.0
公開当時劇場鑑賞した今作。
見るに耐えないシーンの連続で、大画面から何度目を背けたことか。そんな見る側の気持ちを全て分かっているかのように、辛い場面での長回しが多く、何が起きていたかしっかり見ろ、というメッセージが込められているかのように思う。拷問も首吊りも鞭打ちも本当にしんどい…

が、

この映画を初めて見たあとの感想は、

ブラピでてたね!

がほとんどだった気がする。

この映画について誰かと語る時、

あ、ブラピ最後にでてくるやつよね!

てなるひと多いんじゃないかなぁ…

それくらいラストのブラピが掻っ攫っていく感じがあるんだけど、そうならないためにもあの役ブラピじゃないほうがよかったんじゃないかね…。ブラピ出演するならポールダノとかポールジアマッティくらいの役をやって欲しかったな、なんて思ったり…
それにしてもポールダノやっぱり大好き。

ソロモン(プラット)が最後まで諦めずに、夜が明けることを信じられたのは自分が元自由黒人で、きっと、いつか、家族の元へ帰るという強い気持ちがあったから。どんな辛い仕打ちにだって耐え、なにか、どこかにチャンスがないかと模索していた。
これ、かわいそうなのは、帰れる場所があるソロモンはいいけど、黒人として奴隷として生きるしかない他のひとたちはもう諦めるしかないところだよね…目が死んでるもんね…パッツィの死にたい気持ちを否定することはできない。

奥さんのパッツィへの当たり具合が本当にひどくてひどくて…瓶投げるところも引っ掻く?ところも本当に痛い…。第二夫人としての地位(?)を確立する黒人もけっこういたのかな、、?

同じ人間なのに、こうも人は人に対して残酷になることができるのか。
家畜同然に扱うことになんの罪悪感もなく、当然至極のことのように非道な真似をする。それが人間の本質なのか。それが当たり前の世の中であれば、こうも残虐になれるものなのか。

ルールがあるから、法で裁かれるからみんな秩序を守って生活をしているだけで、人間の本質は悪なのかと思えてくる。きっと黒人全員がこんな扱いをされていたわけではなく、もう少し生きやすかった人たちもいたんじゃないかと思うけど(そうあって欲しい)そこらへんを語るには私には知識も経験なさすぎる。


2021年、人種差別はまだ無くなっていない。



"離れろ、私の奴隷だぞ"

"He is Mr. Solomon Northup!!"



この、ミスターのとこに泣いた。
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