しろみさかな

ワイルドライフのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

見終わって、この感情を直ぐに書き留めたいと思いました。なんだこのなんとも言えない感情は…。
例えば子供視点でいくと、苦しい。母親に捨てられたような気持ち。14歳なんて、ほんと子供です。親の性的なモノを見せられたら、吐きそうになるくらい気持ち悪くなります。そんな年頃。しかも母親の相手はおじいさん(笑)父親に頼るしかないのに、父親は感情的で子供っぽい。子供は親を選べないから、本当に苦しかったです。どうやったっていいから、両親が仲良くあってほしいと願うのは、14歳には当たり前で仕方がないことです。
父親視点でいくと、仕事がうまくいかない、ちょっと鬱気味。どうしようもない、家族もいる、何もできず家にいるくらいなら逃げ出してしまおうという気持ちもわかります。彼なりにできることを探した結果が、山火事を消しにいくことだった…それもわからんでもない。ましてや帰ってきたら嫁がハグしてくれる訳でもなく、じいさんと浮気していただなんて…。そりゃ燃やしたくもなる(笑)でも、情けない。
母親視点でいくと、まだ34歳なのです。若い。そりゃあとても寂しいだろうし、仕事が続かない男よりも、甘やかしてくれる金持ちじいさんに慰めて貰えたら嬉しい。でも息子もいるし、背徳感もある。制御できなかったふしだらな自分に嫌気が刺す。わからんでもない。でも、情けない。
ラストシーンが深かったです。もう戻れない壊れてしまった2人の間に、無垢な息子がいて、写真を撮るという行為が悲しかったです。夫婦の感情が押し殺された何とも言えない顔の演技が素晴らしかったです。
三者の視点で物語を見れるところは、深いなと思いました。大人〜な作品でした。自分がアラサーでなければ、嫌悪感だけで終わってしまった作品だと思いました。まぁ、ふしだらすぎてやっぱり母親は許せないですがね。なんとも形容し難い感情になったという点で、心が動いた作品でした。あんまりオススメ!って言える明るい作品ではありませんが、気になられたら是非。
余談、推しのジェイク…いい歳の取り方している。かっこよかったです。最初息子似てねぇ過ぎる!って思いましたが、キャリーマリガンとジェイクの2人を足して割ったらあんな顔の息子が産まれそうだなぁ〜ってジワジワ思いました。息子ちゃん役の子はすごくイイ俳優さんですが、14歳にはちょっと見えなかったかなぁ〜。
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