悪魔の毒々クチビル

エクスペンダブルズ ニューブラッドの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

4.1
"Come and get it , hero."

エクスペンダブルズ、奪われた核と起爆装置を取り返す為に最後のミッションへ。


新年最初の投稿は今作。
何故ならイコ・ウワイスが!イコさんが!!イコさんが出ているから!!!新年初映画館がイコさん!!!!うっひょひょーい!!!
とっくの昔に公開されているアメリカでは評価も興行収入も悲惨な結果だったのは事前に聞いていましたが、イコさんがいるしトニー・ジャーもいるからそんなの関係ねぇ!って事で楽しみにしていましたのよ~。

もうオープニングからイコさん演じるラフマト率いるテロ軍団の襲撃で、こちらも「いきなりイコさんだと…!?」とぶち上がります。
襲撃の途中で場面が代わってミーガン・フォックスのクソうるせぇ痴話喧嘩になった時は真顔になっちゃったけど、また襲撃シーンに戻ってイコさん大暴れにまたニッコリ。
恐らく「ザ・レイド」以来であろうトンファーを駆使したアクションが嬉しい所で、先端部が尖っている特殊仕様なのでナイフみたいにぶん投げる事も出来たりと、ブルータルでかっけぇの。
「援軍?必要ないね」と云わんばかりに単身で乗り込んでターゲットの護衛を次々始末していくイコさん…素敵……
因みに誇張でも何でもなくイコさんのアクションシーンは全部ニヤケながら観ていたので、我ながら気持ち悪かったと思うけど別に両隣にいた人にはバレていないだろうから無問題である。

最終作にして歴代メンバーの出席率がショボいんだけど、今作は展開的に中盤からほぼステイサム映画みたいな所はあるのでまぁ良いのかな。チームものとしての魅力は減退したけど。
でも前作でも出番に恵まれなかったシーザーは出て欲しかった。
あ、ステイサムはいつも通り安心と信頼の強さでした。

ステイサムが単独でタイに行った時はこちらも「いよいよトニジャの出番か」とワクワクしますよね。字幕で「THAILAND」を「タイ」と訳していましたが、今作では「THAILAND」と書いて「トニー・ジャー」と読みます。
活躍シーンは意外と後だったんだけど、敵味方ともに全員銃撃戦する中一人だけククリ刀とムエタイと言うストイックスタイルで敵を殲滅していくジャーさんめっちゃ素敵やん。
ステイサムとトニジャと言う夢のタッグによる戦闘シーンは見応えありましたし、ラフマトの腹心は絶対トニジャ案件だろうなと思っていたらその通りで(タイマンじゃなかったけど)、これまた格好良いバトルでした。お馴染みの肘&膝の同時アタックも宙返り脳天キックも健在。
因みにククリ刀はトニジャの私物なんだと。

そんでラストのステイサムvsイコさんですよ。
取り敢えず色々言いたい事はあるんだけど、まず良かった所。
ステイサムのナイフを綺麗に受け流してその腕をイコさんがタタンと弾く、と言うこれまたイコさんお得意の技なんだけど、ここの動作はまず両手で受け流してから左でステイサムの腕を下げて更に右でダメ押し的な感じで下に弾き飛ばすってな流れでね。
ただ今回は二回目の弾きで使った右腕を滑らかに肘打ちへと移行させて、そのままイコさんのトレードマークであるテクニカル連撃へ発展させるくだりがあってここは最高に格好良かったです。これだよこれ!!
この二連弾きってイコさんはかなりの頻度で使用する一方(「ヘッドショット」とか全く使わない作品もありますが)、例えばヤヤン・ルヒアンであったりチェチェップ・アリフ・ラフマンと言ったシラットマスターは映画だと多分使っていなかったと思うし、他のシラット映画でも(多分)観た事ないのでイコさんの個性を表す重要な動きなのかなと勝手に解釈しています。
ナイフとトンファーのぶつかり合いの音も心地良い。

ただこのバトル、非常に短いし呆気ない。
この連撃のあと、さぁここからだと思っていたらものの十数秒程度で決着がついてしまったもんでこっちも「え?終わり?」と困惑してしまいました。
武器同士だとステイサム優勢、素手だとイコさん優勢みたいな流れも全く活かせずあっさり終わってしまい物足りなさすぎる。
数回殴って蹴り入れただけだったぞイコさん。どうなってんのよ。
そう言えばイコさん、プッシュキックって言うんですかね?これもめっちゃ使用率高いよね。
数年前にメイキング映像として公開されていた、イコさんがステイサムの攻撃を受け流して手刀突きのラッシュを喰らわすシーンとか何でカットしたん?マジで。
あとカメラワークもクソ最悪で、先述したイコさんの連撃はアップにし過ぎて動きがちゃんと見えないしその後のシラットならではの受けも見え辛いっていうね。

悪役イコさんと言えば「シャドー・オブ・ナイト」でのジョー・タスリムとの壮絶なラストバトルが印象に残っている身としては、とんでもなく消化不良なバトルでした。
流石に「シャドー~」ほどガッツリとは言わなくとも、いくら撮影期間が短かったとは言えもう少し出来る事はあったでしょうに。
イコさんはここらで一旦、インドネシア映画に戻った方が良い気がする。
まぁイコさんが「ジャッキー・チェンといつか共演したい」と前から言っていることは有名ですが、そのジャッキーのスタントチームと仕事が出来て本人も嬉しそうだったからそこは良かったですかね。

単に俺がイコさん大好きマンだからこれだけ引っ掛かっているかと思っていましたが、海外でも「イコの無駄遣い」的なコメントが多いみたいで、あぁやっぱそうよねと。

それと「マッハ!」の続編観たのかなり昔だったから、正直あの人がダン・チューポンだって観ている時は気が付かなかったんだけど、何であんなアクションもさせないワンポイントな殺られ役にダンをキャスティングしたんですかね。
だったらラフマトの側近の一人とかで良くない?

シリーズのファンとしての熱量よりもイコさんに対する熱量の方が遥かに上回っているので、脚本やシリーズの終着点がこれで良かったのかとかはそこまで気にならなかったです。別に良い脚本とは思わないけど、大体こんなノリでしょ。合成の出来は酷かったし、メンバー代わる度にすぐ喧嘩して後半これ見よがしに仲直りするくだりは嫌いだけど。
それとシュリンプさん、流石にあそこまでされるの可哀想過ぎたと思うんだけど、何か重犯罪者でしたみたいなこと言及されてたっけ?

他にも良い点悪い点ありますが、イコさんについて語っていたら丁度良い長さになったのでもういいや。
譲れない不満はあれど、何気に初スクリーンでのイコさんってだけでニヤケが止まらなかったしステイサム映画としては見所充分だし、トニジャは普通に最高だったしイコさんアクション以外でも思っていたより出番あったしイコさんが格好良かったので好きではあります。
ついこの間注文した今作の海外版Blu-rayも近い内に届くと思うので、また少ないイコさんの活躍シーンを観ながらニヤケたいと思います。