悪魔の毒々クチビル

リトルフットの大冒険 謎の恐竜大陸の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

4.0
いざ、みどりの谷へ

災害で親と離ればなれになった恐竜の子ども達が一緒に家族を探しに行くお話。


製作総指揮にスティーブン・スピルバーグ&ジョージ・ルーカスと豪華な恐竜アニメです。
日本でもこの1作目のみ劇場公開されましたが、続編は全てOVAとなっています。と言うか14作も作られていたのは最近知りました。
あまり知名度は高くないのかもしれませんが、個人的には幼少期に何度も観ていた大好きなシリーズです。
かなり前にレンタルしようと思って探しても初期の作品は無かったのでDVD化すらされていないのかと思いましたが、この前セル版は普通にある事を知り取り敢えず初期2作を購入しました。なのでいつ以来かも分からないくらい久々の視聴でござんした。

改めて観て真っ先に感じたのはやはり懐かしさ。
リトルフットが星型の葉っぱと戯れるくだりとか、旅先で空腹の中見つけた木を他の恐竜の群れに即食い尽くされるくだりとか、リトルフットとお母さんの最期の会話とか「あ~あったあったあああああああ!!」と一人頷きながら観ていました。懐かし過ぎて懐か死んじゃう。

そんな懐かしさだけでなく今観ても面白いと思える内容なのも嬉しい所でした。
ブロントサウルスのリトルフット、トリケラトプスのセラ、パラサウロロフスのダッキー、プテラノドンのピートリー、ステゴサウルスのスパイク、まだ産まれたばかりで話せないスパイクを除いた4匹のキャラを引き立てる吹替えの声優陣がお見事。
それぞれ
リトルフット 高山みなみ
セラ 松本梨香
ダッキー こおろぎさとみ
ピートリー 三ツ矢雄司
と流石の面子で個人的にはお調子者なピートリーが特に好きですが、全員非常に素晴らしくこの面子での旅をもっと観ていたいと作品に引き込ませられますね。
ピートリーがリトルフットの頭の上に乗るやり取りとか、今まで飛べなかったピートリーが遂に飛べるようになってダッキーを助ける為にティラノサウルスに果敢に挑むシーンめっちゃ好きです。

子ども向けかつ60分台というのもありシンプルな内容なんだけど、リトルフットとお母さんの別れのシーンは充分悲しいし、その後自分の巨大化した影をお母さんと勘違いする展開も切ない。
そして子ども達の前に何度も立ち塞がるティラノサウルス。
今作ではスパイク以外の草食恐竜は大人も子どもも基本話せますが、ティラノは一切言葉を発する事なくギョロリと獲物を睨み付け本能のまま襲ってくる設定にすることでリトルフット達にとっても視聴者にとっても恐ろしいと思える存在になっています。
肉食恐竜を完全な悪として描いているのも、今作はあくまで草食恐竜側の物語なので不満は無かったです。

ラストの回想シーンで思わずウルっと来たりと、私情を含め色々と思う所のある作品でした。
何作目まで観たのかすら覚えていないんだけど、00年代入る前の作品は一通り買おうかなと思います。