このレビューはネタバレを含みます
気になっていたこちら。
ようやく観ました。
ホラーかと思っていましたが、サスペンス・スリラーですね。
グロさを抑えて不穏を煽っていく。
NOPEを観ていたので、ジョーダン・ピールの演出・表現手法を理解していたこともあり、安心して見れました。
黒人の方々の演技が素晴らしく、明らかに「コイツ頭おかしい」「不気味」と思わせる説得力が凄まじい。
催眠術の描写が巧みで、「落ちていく」「閉じ込められていく」表現が秀逸でした。
暗に人種差別を心理的に訴えてくる描写も見事です。
ストレートな表現は時に受け入れ難いものになりがちですが、日本人の私でもスポンジに染み込みこむように、じんわり心をえぐってきます。
また恋人によって人生が狂わされる怖さもあり、絵空事ではない「そこにある恐怖」が伝わってくるのもよかったです。
終盤、本性を表されてから、どうやって「ゲットアウト」するかが本作のキモだったのですが、NOPEと同様にラストの詰めが弱い。
・主人公めちゃくちゃ容赦ない。(それがスカッとはするけど、あそこまでしなくて良いのでは?)
・耳に綿詰めただけで回避できるというイージーさ。
・おばあちゃん!おじいちゃん!!に吹きましたw あの瞬間だけコメディーに。
※他の方のレビューを読んでいて知ったのですが、コメディ映画を撮ってた監督さんなんですね!だからか…
なんかもっと違うストーリーラインはあったんではないか…
世間の評価とは裏腹に、作品の質としては普通という印象。
とはいえダニエル・カールヤ含め、出演者の演技が素晴らしく、引き込まれました。
この監督の作品は掴みは良いけど、締めがイマイチなのかもしれない。
USで確かめてみよう。