氷雨水葵

ザ・シェフ 悪魔のレシピの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

ザ・シェフ 悪魔のレシピ(2016年製作の映画)
2.2
2023年37本目

ケバブ食べたことない

◆あらすじ
ロンドン郊外のサウス・コースト。週末ともなれば、酒とセックスに溺れた若者たちが夜な夜な暴れまくる荒れ果てた街だ。

そんな街の一角にあるケバブ屋を経営するのは、病気がちの父と息子サラール。

しかし、ある夜、酔っ払い客に絡まれた父親が暴行を受け死亡したことで、サラールは復讐を決意する―――。

◆感想
友人の勧めで鑑賞。結構好きな感じだったけど、後半になっても同じようなシーンの繰り返しで少し退屈でした…。こういう内容の作品でいうと去年『ヴィーガンズ・ハム』を観たけれど、そっちのほうが笑いあり、グロありで個人的には刺さった印象。本作は序盤からずっと暗い雰囲気で、まぁ街が荒れ果ててる設定なので仕方ないですが、グロ映画に胸糞要素はいらなかったかなぁと感じました。とにかく治安が悪すぎる!店に来てバカ騒ぎする人たちへの怒りはもっともだわ。ただ、それで復讐しようとは思わないし、ましてや解体して人肉ケバブを売ろうとは思わんが、主人公の場合、父親を失った哀しみや喪失感から、こんな所業に手を出したのかな?
社会派リベンジホラーと銘打っているけれど、やっぱりどこか消化不良な気がします。結局、主人公は最後あんな風になってしまうし、復讐は果たしたのだろうけど、グロに特化したリベンジ物ならもっと振り切ったラストにしてほしかったところ。まぁナイトクラブ「ハッシュ」のオーナーにリベンジした(?)ラストの展開はよかったと思います。
120分と、こういう作品にしては割と長尺なので流し見がおすすめ。一人目が犠牲になるまで時間はかかりませんが、それからの展開は同じことの繰り返しなので。とはいえ、主人公の心理描写はよく出来ていたと思います。あと、人体解体の際、割とはっきり見えていたのが個人的には高評価。バラバラにしたり、ミンチにしたり、規制ガチガチだと映してくれないことが多いから。

てか、ケバブって焼いた塊肉を削いでるのかと思った。本作ではミンチを何回も串の周りに貼り付けて1つの塊のように見せてたから、お店によるのかな?そして、客が言うほどケバブが美味しそうに見えませんでした(笑)

ケバブを食べた男性の「このケバブ(お肉)・・・」のシーンで不覚にも笑ってしまった。
「お?不味いって言うか?」と思いましたが、『ヴィーガンズ・ハム』とまったく同じで「めっちゃ美味しいやん!!」の展開に笑うしかない。まぁ『ヴィーガンズ・ハム』のほうがだいぶ後の作品なのだけれど。

B級でもないし、かといって一級品でもない微妙な作品なのですが、グロ耐性高い人はぜひ!
氷雨水葵

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