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多忙な一日/つらあてのdm10foreverのレビュー・感想・評価

多忙な一日/つらあて(1914年製作の映画)
3.3
【シン・ストリートファイター】

(あらずじ)
パレードの見物にやってきた夫(マック・スウェイン)と妻(チャップリン)。しかし、夫は別の女(フィリス・アレン)に気が散って仕方がない。別の女についていった夫を取り戻すべく妻は後をつけるが、警官隊やパレードの撮影クルーに阻まれて追いつかない。妻はやっとの思いで夫に追いついたが、夫は乱闘の末に妻を海中に突き落とすのであった。

「女装したチャップリン」が見られる貴重なフィルム(なんでも、これを入れて3本しか存在しないそうだ)。

物語は・・・・ほぼない。
夫婦でパレードを見に来たら、旦那(マック・スウェイン)は別の女に色目使って二人でどこかに行ってしまうもんだから、怒った奥さん(チャップリン)が怒り狂って、片っ端から近くにいる人を誰かれ構わず殴りだす・・・っていう、設定だけ文字で読むと「イタい人」のお話(笑)

本当にそれだけなんで展開的に(ほ~)と感心するような事もないだけど、女性の恰好をしながら激しいファイトを繰り広げるだけでなく、ドレスの裾で鼻を拭いたり、大股開いてひっくり返ったりとやりたい放題。
この頃の時代背景なんかも感じながら見ると、そういうところに、ちょっぴり「毒」も入れてみたりするチャップリンの遊び心も垣間見える。

で、やっぱり本編6分のうち5分は殴り合ってるくらいの印象なんだけど、どれも結構マジで入ってるんじゃない?ってくらいに良い蹴りが決まるので、ついつい笑ってしまう。

旦那だろうが、警察官だろうが、容赦なくケルナグ~ル。
でも女性(役)であってもボコボコにされる。
今なら色んな意味でアウトな内容なんだろうけど、チャップリンらしさ溢れるコミカルな演技で何故か許してしまう。

ただ・・・
ラストは奥さんどうなっちゃうんだろ?
想像したら、ちょっとシュールな終わり方なのかも。
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