まーしー

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険のまーしーのレビュー・感想・評価

3.5
映画シリーズ第37作。
今回の舞台は南極。のび太が南極で謎のリングを発見したことから始まる、氷河下の巨大遺跡の冒険物語。

思った以上にサイエンス要素あり。
他のドラえもん映画でも科学を取り入れていたが、本作はより高度な内容。
氷河の成り立ちやスノーボールアース(全地球凍結)仮説など、大人でも理科の勉強になった。
また、過去(10年前)と現在を往来しての伏線回収、「10万年前の地球の出来事」と「10万年光年離れた星の現象」の繋がりなど、何度も「なるほど!」と唸らされる脚本だった。

冒険物語というだけあり、数々のクリーチャーが登場。謎のペンギン、大量のコウモリ、『宇宙開拓史』にも登場していたようなゾウ……。
中でも、悪役ブリザーガのルックスが特徴的。『もののけ姫』に出てくるデイダラボッチのよう。
そんな印象を持って調べてみると、なるほど、監督がジブリ出身者だった。妙に納得。
偽ドラえもんも登場し、ドラえもんとのび太の絆を再確認させられるなど、バトルに終始しないところも個人的には高評価。

ゲストキャラクターの存在感の弱さや、ジャイアンたちの活躍不足を指摘する声もある。
しかし、科学的根拠を用いた舞台設定や爽快感を伴うストーリー、ドラえもんとのび太の友情に、私はワクワクドキドキした。
ドラえもん映画の中では好きな部類。