まーしー

ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!!のまーしーのレビュー・感想・評価

3.0
『ドラえもん のび太とブリキの迷宮』と併映された40分の中編映画。ドラミちゃんシリーズ第3作。

鳥の祖先が恐竜であることを確かめに、白亜紀にタイムスリップしたドラミちゃんやセワシ(のび太の子孫)たちが、数々のドラマに遭遇する。

子育てする恐竜マイアサウルスの子どもマイ助とドラミちゃんたちの友情、ティラノサウルスや自然災害からの危機を描く内容は、『ドラモン のび太の恐竜』と重なる。
特に、「お助け大福」を食べたウルトラサウルスが伏線となるシーンは、「桃太郎印のきびだんご」を食べたティラノサウルスを伏線回収する同作へのオマージュだろう。

また、前2作と比べ、ドラミちゃんの存在感が大きい印象。それは、危機的状況下でドラミちゃんのひみつ道具が活躍するからかも知れない。

子ども向けアニメながら、恐竜が恐竜を襲い流血するシーンは、弱肉強食の厳しい世界を物語っている。
時には残酷にも映る、このような「自然の摂理」に対し、恐竜を守る環境保護ロボットの登場や、そのロボットが未来人の捨てたゴミを拾うシーンは、人間に対する皮肉とも受け取れることだろう。

前述のとおり『のび太の恐竜』と似通っているため、飛び抜けたおもしろさはない。
しかし、40分という短時間にこれだけのエッセンスを詰め込まれているところに、作品の良質さを感じる。

3作目にして、ようやくドラミちゃん映画の楽しみ方が解ってきた。