さー

五日物語 3つの王国と3人の女のさーのレビュー・感想・評価

3.9
欲望に忠実な大人たちのためのお伽噺。
民話ならではの不条理、残酷さ、欲を持った人間への容赦ない突き放し。恐ろしくはあるけれど、一度味を知ってしまうとやめられない中毒性もある。並行して描かれる3つのストーリーに、どれもあんぐりと口を空けて見入ってしまった。めちゃくちゃ金のかかった中世風・世にも奇妙な物語。好きな人は好きだぞ〜〜

とんでもストーリーに説得力を持たせるのが、今作の美術。衣装や調度品の作り込みがすごいし、登場するクリーチャーたちの造形も良い。なんといってもでかいノミよ…覚悟してたけどでかいんよ…

キャストはみんな良い意味で曲者揃い。トビー・ジョーンズめちゃくちゃ良かったな。一見良い人そうなのに、そこはかとない薄気味悪さを漂わせていてゾワゾワした。

「本当は怖いグリム童話」的な話が大好物なので、今作のような作品は大大大好き。とってつけたような教訓もなく、人間の業を見せるだけ見せつけてスパッと終わる潔さも大変良かったです。
さー

さー