ぞしま

オルメイヤーの阿房宮のぞしまのレビュー・感想・評価

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)
5.0
すさまじい作品。
コンラッドが原作なのか、そして2012年作なのか。

美しいなと観てはいるが、あんまりこの話好きじゃないかもの方が若干強かったのだけど、後半からエンディングにかけて一気に引き込まれてしまった。
冒頭に戻ると物語が円環的な構造(果てしない喪失を予感させるような)になっていることも分かる。

あの出立からの親父の顔の長回し…。
映画でしか出来ないことやってるな、自分はそれを観ることが純化されるみたいな語で捉えているけれど…そういう感覚があった。

やはりこういう風に時代性や固有性を剥奪していく方向になるよね、と思う一方で、肌の色、家父長性、金鉱、阿片…など、古めかしいなと思ったり、変な感覚。

「阿房宮」という語感が新鮮。なんとなしに発音したいような舌で転がしたいような感じもあってよい。いつか自分でこの語を使うことはあるだろうか。
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