Eryyy678

ホームレス ニューヨークと寝た男のEryyy678のレビュー・感想・評価

4.0
「僕には権利がある。泊まりに行く権利が。君がどう思おうが、僕がそう決めた。」

「ホーム」を持たないフォトグラファー、マーク・レイのニューヨーク生活に密着したドキュメンタリー。

「ニューヨーカーの50-60%はいつも心配してる。家賃の支払いのこととか、仕事を失ったらどうしようとか。僕は風まかせだ」

マーク・レイさん。一見とてもスタイリッシュでダンディなおじさま。
でもホームレスっていうよりも、貧困?と言うほうが適切なのかもしれません。屋上で寝ているのは確かに「ホームレス」ではあるんだけど。

ホームレスであっても、彼はフォトグラファーの仕事や、少ないながらも俳優の仕事をやっている。
「ホーム」を持たない彼のニューヨーク生活。悲壮的、というよりもエネルギッシュでどこか躍動的。でも人生に対する、ある種冷めた見方も感じたり。それでも人生に価値を見つける。ささやかな幸せも。

「愛してると言ったことはない。この見た目で勘違いされることも多い。どうせ本気じゃないんでしょ?と。」

決して孤独とは思わないけれど、彼の本当の心の内はわからない。マーク・レイが見せる涙。

「いつかそのうち、お宅に泊まらせてもらいに行くよ。監督に言ってるんじゃない。映画を観てる君だよ」

ニューヨークに住んでいたら、レイが泊まりに来るかもしれませんね。あんな素敵なおじさまが来てくれるなら、私は全然ウェルカムだけど(笑)
Eryyy678

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