誰しも名前だけは知ってるであろう有名ラッパー″エミネム″の半自叙伝的作品。
演技のほうはともかく、作品の肝であるラップバトルは、本業なだけあって耳にすとんと落ちてくる乗りの軽快さと心地よさ。
主人公の周辺人物が、それ人としてどうなのっていう行動と、絶妙に主人公との絆は繋ぎ留めてるアンバランスさが、まあ人間ってそういうもんだよねと妙に納得してしまう。鑑賞中はあまり気にならないんだけど、よくよく考えたら無責任な人達多いな、っていう。
そもそも不良非行の世界観で、聖人君子などいるはずもなし。まともなのは子どもだけ。
ストーリー自体は決して事実の羅列ではないフィクションのようですが、その割にはドラマチックな展開はほとんど起きない。しかしある意味王道のストーリー。
序盤と中盤に溜まってた鬱屈なストーリーラインを、終盤のリリックで一気に解放してくれたような、そんな爽快さのある映画でした。