現代かと思ったら1800年代だった。実在のダンサーで「モダンダンスの先駆者」と言われたロイ・フラーを描いた作品。フィルマのあらすじが詳しい。
たっぷりと布地を使った衣装と照明、鏡を駆使したダンスは美しいし、アーティスティック。しかし、照明で目をやられ、重い衣装での激しい動きで体もボロボロになる。痛々しさばかりが強調されている。
主役はミュージシャンの方らしく、後から出てきたイサドラ・ダンカン(ジョニデの娘リリー=ローズ・デップ)の方が美しくて踊りも上手な印象。実際にもそうだったのだと思う。今は亡きギャスパー・ウリエルも出演。
全体的にしっくり来なかった。表現者としての苦悩なのか、恋なのか、ライバルへの嫉妬なのか、オペラ座への夢なのか、どれもピントが合っていない散漫な印象で消化不良でした。題材がいいだけに残念。
ステージ上でのダンスは美しかった。森の中のダンスシーンも好きです。ダンスを芸術にまで高めたロイ・フラーとイサベラ・ダンカンのことを知れただけでも価値がある。