映画武士道

巷説百物語 狐者異の映画武士道のレビュー・感想・評価

巷説百物語 狐者異(2005年製作の映画)
2.3
巷説百物語シリーズも堤幸彦監督も好きなんですけど、これはちょっと酷い感じがしました・・・

以下理由を挙げます

理由①トリックやケイゾクとほぼ同じ演出でやってる。特に効果音は完全に流用している。トリックでボケのシーンでチーンという音が入りますがこれも同じです。しかもBGMも流用?江戸時代の音楽どころか日本の音楽じゃないのを使っています。(なんて言えばいいのかな西部劇風?)完全に巷説百物語の世界観をぶち壊しています。
というかカメラワークなどまでほぼ演出の流用なのでケイゾクやトリックのパロディ作品ですか?とさえ言いたくなる。

理由②主人公の渡部篤郎の演技がほとんどケイゾクの時の刑事役だ
あのぶっきら棒感ある演技はあの役どころだったから良かったのであって時代劇でしかも陰陽師崩れの役どころには合ってない気がする。というか役作りやってる?
ケイゾクの時の渡部篤郎の演技は好きだけど役どころの演技を流用するのもどうかなあ・・・

理由③謎のコメディ化
巷説百物語の不気味さ不思議な世界観がいいのに、トリックやケイゾクのノリで笑いを取りに来ようとする。

良く言えば堤監督のアレンジ。悪く言えば原作レイプです。
これも堤監督が深い考えがあってアレンジした。というならいいんですけど、演出法や演技なども含めて堤監督の大ヒット作のケイゾクやトリックのノリや演出、そして演技などを巷説百物語のシリーズにただただはめ込んで作った感じが凄い。
そして巷説百物語の世界観を無意味に破壊して味を壊してるだけの演出を施してしまった感じが凄い。

これは正直やっちまったなぁ~って思いました。
※ただしこのコメディ化は原作シリーズの狐者異は読んでいないので原作もこの話だけはコメディ作品の可能性があります。

俳優陣が非常に豪華なだけに残念すぎる!
特に渡部篤郎、大杉漣は大好きな俳優。もうちょっとうまく使って欲しかった。主要人物で紅一点のおぎん役の小池栄子はかなり頑張っていたと思う。
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