映画武士道

レッド・ピルの映画武士道のレビュー・感想・評価

レッド・ピル(2021年製作の映画)
2.3
これは久しぶりにやっちまった~!見なきゃよかった~という作品!
本当に酷い映画は途中で見るのをやめてレビューしていないんですけど、この作品は損切に失敗してしまって見るのやめようと思った時はもう終盤に入っていたので最後まで見てしまいました。

設定はかなり好きなんですよね!
現代の魔境ことアメリカ南部が舞台。
日本でもグンマー!とか言われてますけどアメリカの魔境はケタが違います。
なんせアメリカ南部は今でも進化論は否定的です。
そして地動説じゃなく天動説が未だに有力です。2割の人が天動説信じているというデータあり。
そしてキリスト教を批判したりするといきなり襲ってきます。
そして白人至上主義者の本拠地であり、共和党の牙城です。
以前イギリスBBCが作ったTOPGEARという車番組でアメリカ南部を走るという企画があったのですが、まあネタとしてアメリカ南部で車に乗りながら共和党批判を大声で叫んでいたら武器を持った過激な南部民に襲撃されて命からがら逃げ帰るというシーンがありました。
さすがに演出だと思うんですが、まさにイメージとしてアメリカ南部はそれ!
犯罪率(殺人事件件数・強盗件数)も北部に比べてアメリカ南部はデータとして高い!


そんなところに大統領選挙直前に北部からリベラルな黒人や移民などの民主党支持者たちが民主党の大統領を当選させようと選挙活動のためにやってくる・・・
それで、何も起きないはずもなく・・・

まあ最初からアメリカ南部のやばい人たちが襲ってくるんだろうなあ・・・とは思っていたんですけど

実際襲ってくるには襲ってきたんですけど、なんだろう・・・
襲ってくる奴のキャラがB級C級作品のオカルト作品のような仮面をした怪しい連中ってだけなのが非常に残念でした。
たしかに南部はそういうイメージですけど、ちょっと安易というかなんというか・・・ただただ残念。
ちなみに襲ってくる連中は台詞とかもなく仮面つけて、黙々と主人公の仲間たちを殺していきます。
最後に南部民たちの団体が出てきて「白人だけの社会を作るんだ!」と言っていますがそれもまあ安易。
白人至上主義者が南部に多いのは日本人の私から見ても普通に常識なので全く面白くもない。

天動説を信じてるいかれた南部民とかトランプ支持者を出した方が普通に面白かったと思います。
トランプ支持者はアメリカの国会議事堂をリアルに襲撃してますし、それはもうリアルでこの作品を超えたイカレっぷりですし。
それに暴力で安易に襲ってくるより本当にイカレた南部の街で、政治的にちゃんと討論した方がたぶん面白いと思います。

南部の白人至上主義の団体が変な仮面して武器持って襲ってきて一人一人殺していく・・・
怖いと言えば怖いし。イカれてる!といえばイカれてるんですが、レベルの低い怖さだしイカれっぷりなんですよ。
イカれた思想のイカれっぷりをもうちょっと引き出してあげて欲しかった。
それには敵側にイカれた個性のキャラを出してきてあげて、そしてちゃんと口論したり思想を述べたりして狂気をちゃんと演出しないと面白いとは言えませんね~

設定的にはアメリカの狂気、アメリカの暗部と言われる魔境の南部。
そこにリベラル活動家が乗りこんでやばい目に遭う!という設定は面白かったのですごく残念でした
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