佐藤哲雄

ジーサンズ はじめての強盗の佐藤哲雄のレビュー・感想・評価

3.0
ジーサンズ はじめての強盗

この映画の何が面白いのか、という点についてだが、モーガン・フリーマンとマイケル・ケインとアラン・アーキンと、本物の爺さん達が爺さん役を演じて爺さんとしての悩みと希望を胸に社会の現実と闘う、というストーリーが面白いよ。

そして、彼ら老練俳優たちの演技もまた堂にいっており、ついつい失笑してしまう場面も多かったよ。

まあ、日本ではまだ本作とは真逆の現状にあるが、社会保険や国民健康保険、各種年金等の財源が完全に枯渇している現在の我が国においては、今後は本作のような深刻な老後を送ることになる人々が増加してくるであろうことを鑑みるに、対岸の火事では無いと感じたよ。

冗談ではなく、今後は犯罪もますます増加してくるであろうことを想像すると、いつまでこの国に留まるべきか、と言う現実的かつ退っ引きならない問題に向き合わねばならない気持ちにもなるよ。

映画としては面白かったが、日本人にとっては、相当に深刻な現実をオーバーラップさせられる作品のように私は思うよ。
佐藤哲雄

佐藤哲雄