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たかが世界の終わりのvioletのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
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アーティスティックな会話劇

一筋縄ではいかない難解さを孕む一方で、鑑賞者の心をグッと掴んで離さない何かがある。グザヴィエドランの凄みを随所に感じた。

若き成功者であるルイはもうすぐ死ぬ人の目をしていた。そんなルイを演じたギャスパーウリエルがもうこの世に居ないという事実が、皮肉にも本作とリンクし深みを足している。

home is where the heart isなどとよく言われるけれども、そう考えられる人は幸せなんだからね。これはhome is where it hurtsだと考える人に寄り添った作品だったよ。複雑でカオティックでどうしようもない家族を見てどこか救われた気がした。
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