メアリ

天使にショパンの歌声をのメアリのネタバレレビュー・内容・結末

天使にショパンの歌声を(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

美しい映画でした。
また雰囲気を楽しむ作品のようでしたので、最後はハッピーエンドなのかよく分からない終わり方でしたが……
最後にショパンの「別れの曲」で修道院に、同僚に、家族に別れを告げるように修道院を出ていくシスターたちのヴェールを脱いだ新しい姿はとても神秘的なくらい美しかったです。
修道女として育てられているので生徒たちの感情や行動が画一化されているのが、物語として抑揚の無さと宗教の持つ独特の沈黙性を帯びていて、人形のようだなあと。
シスターにスポットが当てられていたのでシスターたちのほうがまだ感情豊かのように感じました。

時代に合わせて変化する恐怖と戦う勇気も強い権力、お金の問題の前では無力とは……悲しい……まあ、世の中ってそういうものですが……

男尊女卑が蔓延る時代の映画って見ていてどうしようもない閉塞感があってやだなあ……
綺麗な旋律で彩られる耳からの情報とは裏腹な女性の肩身の狭さを物語る少し切ない作品でした。

邦題があまりにも残念過ぎる……直訳すると「オーガスティーヌ(校長の女性)の情熱」でしたね。フランス語に込められた真意を日本語では伝えきれないのは残念という他ありません。
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