みんと

マスクのみんとのレビュー・感想・評価

マスク(1984年製作の映画)
3.7
鑑賞記録



障害を諸共しない母子の、ある意味王道のストーリーながら、やっぱり感動的。
そして、やっぱり切ない。

わずか16歳で亡くなったロッキー・デニス少年の実話をもとに描いた作品。顔が異様に大きく、奇妙な“マスク“をかぶったようにみえる病気に冒されたロッキーが、持ち前の明るさで周囲にとけ込み、短くも美しい人生を送る…。
重たいテーマを温かく、味わい深く描き上げたのは『ペーパー・ムーン』のピーター・ボグダノヴィッチ監督。

この手の作品は、病気の悲惨さを前面に押し出し、お涙頂戴に傾きがちなイメージ。
けれど、今作ではシェール演じる母親の力強さに驚かされ感動させられた。息子に対して一切の同情もしなければ情けもかけない。全力で怒り、突き放し、愛している。
一喜一憂しない肝の座り具合は尊敬に値するしカッコいい。

また彼らを囲むバイカーたち大人が朗らかで、ぶっ飛んでて、優しくて素敵。
ひねくれて、やさぐれて、ネガティブになっても仕方ない状況でも、めげないロッキーが痛々しくも健気で清々しい。


真の親子愛について考えさせられ、本当の愛に包まれた時の人間の強さや生きる力を感じられる作品だった。

あと、初々しくて眩しいローラ・ダーンの天使っぷり!
若くて可愛らしくて、盲目の演技が素晴らしかった。
みんと

みんと