ひろゆき

ヒメアノ〜ルのひろゆきのレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
3.8
銀幕短評(#619)

「ヒメアノ〜ル」
2016年、日本。1時間39分。

総合評価 76点。

これはすごいですね。【四つ這い+四つ這い】の数秒間。あの数秒間の濃いいシークエンス(クロスカット)は、日本映画史に残りますね。

濱田岳さんは大好きです。「みなさん、さようなら」73点、おもしろかったですね。本作でも芝居が最高にうまい。かれにしか出せない演技の味がある(たとえば安田顕さんのように)。ギャグはギャグとして、恋愛は恋愛として、+R15はそれとして、たんたんとした役作りが本作でも多い。独特のかすれた声とあの表情、とくに目の芝居が魅力的ですね。

いま気づきましたが、どうやらわたしはこの監督の作品を、意図しないうちに いくつか観てきています。あたらしいものから並べると、

「空白」21年、1時間47分。
古田新太、73点。
「BLUE/ブルー」21年、1時間47分。
松山ケンイチ。未見。
「愛しのアイリーン」18年、2時間17分。
安田顕、76点。
「犬猿」18年、1時間46分。
新井浩文、50点。
本作、16年、1時間39分。
濱田岳、76点。

だいたい2時間を切る映画を撮って、だいたい70点台をたたき出す。いい腕前です。「BLUE/ブルー」も世評が3.8点あるので 観るのが楽しみですよ。


 (おまけ)

「新語について」

・歌は世に連れ、世は歌に連れ
といってもピンとこない若いひとはたくさんおられるでしょうが、これを今回のわたしの文脈に焼き直すと、

・ことばは世に連れ、世はことばに連れ
ということができます。

つまり、世相に応じて ときの流れに応じて、コトバは かならず変化していくものだ、ということです。これはいいことでもわるいことでもありません。単に自然なこと(不可避なこと、受け入れるしかないこと)です。

ただ、方向としては かならず 複雑なものが簡便な方向にラクちんな方向に変化(へんげ)していくことが世の常です。つまり脳の省エネの機能が働くからであって、たとえば ことばの発音の音(おん)変化とおなじことです。

ここでじぶんの整理のために、いくつかことばの新用法(フィルマークス版)の例をあげてみましょう。ほかにもあったら教えてください。このあたり、けっこう興味あるんですよ。では、


好き。(体言止め?)
文法的にいえば、日本語には 動詞で「好く」、形容動詞と名詞とで「好き」のふたつがありますが、これは五段活用動詞の連用形「好き(ます、です)」などの語尾を省略したものですね。それとも形容動詞の終止形かな。いずれにせよ、おもに女性がつかうようですよ。文尾に余韻があって、かわいく響くからかな。

よき(良き)。
うえに同じです。形容詞ク活用「よし」の連体形ですね。良きかな、よきことです、などの語尾省略といえる。

ひびく(響く)
(こころの空間を)共鳴、振動させる、共感するという意味ですね。うまい表現だ。

(グサグサ)刺さる
(とがったイメージの何かが)こころをつよく刺激する、という意味ですね。

ヒリヒリする 
日焼けのようなイメージ? やはり(なにか熱をもったものに)こころが刺激されるという意味ですね。

くらう
「いい意味で」、こころを動かされる、という意味です。こころにパンチをくらうこと。

~~(いい意味で)。
一見、批判的な わるくちをいうようないい回しをしたあとの文尾(あるいは文頭)で、誤解を回避する表現ですね。そうじゃないんだよ と。最近のトレンド一位です。おしゃれに響くのかな。

〜〜(ほめてます)。
上項と同類。

熱量
これは高校の物理学で習いました。単位はジュールです。

控えめに言って最高
対象を絶賛したいときのひねった表現。これも最近のトレンドですね、あまりセンスないけどなあ。

~~(語彙力)。
じぶんの語彙数のすくないこと(や文章が こなれていないこと)を謙そんしていう、いいまわし。ほんとうにすくないひともいる、かも。

原作未読
映画の原作、つまり小説やマンガですが、それにまだ触れていないこと。未読というからには これから読む意気込みがあるのかと思うが、そうでもないらしい。単なるフラグ。

原作既読
原作をしっている、つまり映画とのちがいを知っているということ。かといって違いがなにも語られないことも ままある。これも単なるフラグですね。

折り合いをつける
なかなか説明がむずかしいですが、歩み寄って妥協する、とか、そうこうして納得する、とかそういう語感ですね。ちょっと気取った表現だ。

記録。(の、ひとことで感想文をすべて完結!)
これはわたしの辞書には載っていないコトバの用法ですね。もったいないな。


という、これらのコトバを、わたしはまだどれも使ったことがありません。むかし気質(かたぎ)でシャイなんですよ。どれか練習しようかな。かんたんなのから。


補足として、
わたしでも “ギリ” 意味が分かるけれど、同様に まだ使ったことがないことば

サブカル、オフビート、胸糞、イタい、サイコパス、エモい、ハマる、ほっこりする、ハンパない、わちゃわちゃ、見れる、キュンキュン、カタルシス、わかりみ、ロードムービー、笑、笑笑、マウントを取る、ツンデレ、劇伴、前情報、考察、眼福、共感性羞恥、大号泣、涙腺崩壊、言語化、
などなど。

まあこんなところですわ(語彙力)。



日本語アクセントの平板化については、次回に取り上げます、かも!

おしまい。


(いただいたコメントに、長いコメントを書きました。)
ひろゆき

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