周防正行監督、1989年。
周防監督の一般商業映画第1作であり、主演モックンが俳優本木雅弘になった作品。
ヒロインの鈴木保奈美はこの後1991年に、月9ドラマ『東京ラブストーリー』が爆発的大ヒット。
周防監督は、『シコふんじゃった。』(1991)、『shall we ダンス?』(1996)とうなぎ登りにヒットを連発する。
原作は、岡野玲子の同名漫画(1984-90)。映画制作の時点で連載は終了しておらず、本作とは違うラストになっているらしい。原作未読。
実家の寺を継ぐ為に、由緒ある禅寺に修行に入る元ロック歌手を本木、その彼女を鈴木。
脇を固めるのが、大沢健、彦摩呂、田口浩生、竹中直人、徳井優、村上冬樹など。甲田益也子は西遊記の夏目雅子よろしく高僧を演じる。ちょい役も中々で大槻ケンヂにスカパラ(バンド仲間)、蛭子能収、柄本明に、友情出演で宮本信子、大杉漣と。
いかにも漫画原作という感じのコメディだけど、なぜか後味が良いんだな。
どんどん社会へ出て行く女性と安定志向に帰る男性、という相反するベクトルかと思いきや、なんかここもいいじゃん、くらいの勢いで手を繋ぎその運動を垂直に乗り越えちゃう明るさとアホさ。80年代を背景にした若者達の自我への賛歌。なのか。
結局は本木雅弘の座禅姿の姿勢の良さというか、丹田にイケメンを感じる。
YouTubeの角川シネマコレクションで限定公開中でした。
https://www.youtube.com/watch?v=XdH1Fm50OK0