志村蓉子

64 ロクヨン 前編の志村蓉子のレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
3.3
映画の導入部分から誘拐事件の緊迫感あふれるシーンが続き、たちまち引き込まれました。それから十数年後、感情をなくし脱け殻のように生きる雨宮芳男(永瀬正敏)の姿が、時の流れと事件の忘却を思わせてすごく切ないです。

この未解決事件にまつわる科捜研技術吏員の謎、記者クラブとの確執、上層部との対立、おまけに自分の家族の問題…と、三上義信(佐藤浩市)はこれでもかというぐらい苦悩を抱えます。
怒りを必死に堪えながらそれらに立ち向かう姿を演じる佐藤浩市さんは、本当に適役だなと思いました。
ベテランにしか出せない味というか、抑えきれない感情がじわりと滲み出るようなお芝居で、クライマックスの記者クラブとの対決?は圧巻でした。

それにしても、何で記者クラブはあんなに偉そうなんでしょう。見ていて腹がたちます!永山瑛太さんの、人をイラッとさせるお芝居が上手すぎて本当に怒れました(褒めてます!)さすが!
志村蓉子

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