ノリック007

美女と野獣のノリック007のレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
5.0
モテない男が美男に勝ち、美女と付き合い、結婚することができるのか?

ミュージカル映画ですが、歌と踊りが不自然というほど強調されていないので、ミュージカル映画が嫌いという人にもお勧めです。
アニメ映画の実写化された映画ですが、豪華にCGを駆使して楽しませてくれているので、アニメ映画を越えのではと感じました。
豪華なCGを堪能するには、可能でしたら、映画館で鑑賞することをお勧めします。
美女のベル役のエマ・ワトソンは、良かったです。
冒頭に、呪いのかけられるシーンがあり、映画を分かりやすくしてくれているのも良いです。
ベルと野獣が母親の死という共通のトラウマを抱えて、成長し、理解し合い、愛するようになる過程を上手く演出されているのも良いです。
ガストンとル・フウの立ち位置が終始一貫しているので、良い引き立て役になっています。
家具たちも楽しく、よく描かれているので、物語が分かりやすいです。
カップルや親子で鑑賞するのに良い映画です。

美男が、美女と付き合い、結婚するのは珍しくもなく、当然であり、普通です。
美男は、「モテない男が美男に勝ち、美女と付き合い、結婚することができるのか?」という人生最大のテーマで、人生最大の挑戦に挑むことはできません。
モテない男は、「モテない男が美男に勝ち、美女と付き合い、結婚することができるのか?」という人生最大のテーマで、人生最大の挑戦に挑むことができます。
美女が、目で見て、頭で付き合う相手を選ぶなら、美男が選ばれ、モテない男にはチャンスさえありません。
美女が、心で付き合う相手を選ぶなら、美男にも、モテない男にもチャンスはあります。
美男は、美女の心を動かす努力をする必要性はなく、美女の心を動かす方法さえ知りません。
モテない男は、美女の心を動かす努力をして、美女の心を動かす方法を習得できる可能性があります。
モテない男でも、美女の心を理解し、美女の心が望んでいることを、美女に提供できれば、美女の心を動かすことができます。
もっと、簡単に行うこともできます。
モテない男でも、美女の心の良い所を見出して、理解を示せば、美女の心を動かすことができます。
モテない男でも、美女の心を動かし、美女を恋に落とし、愛を創れば、美女と結婚できます。

この方法には、弱点もあります。
人の心を知るということは、人の嫌な心、人が嘘を言っていることが分かるようになり、人を嫌いになるという弱点です。
人の心を知ることができるようになると、夏目漱石の草枕の冒頭で書かれていることがよく理解できるようになります。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣にちらちらするただの人である」
人は、良いところもありますが、悪いところも必ずあり、人の世は住みにくいです。
人の心を知ることができる人は、人の世に絶望します。

美女と野獣は、希望を失いかけたときに鑑賞すると、希望を取り戻せるような良い映画でした。
時々、美女と野獣を鑑賞したくなります。
ノリック007

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