「恋人たち」というタイトルからくるイメージとはかけ離れたような、愛する人のいない3人の登場人物を中心に描かれた作品。
生きていくことの辛さが全面に出ている。特に篠原篤演じるアツシの心の内を慮ると居た堪れない。市役所で書類を丸めながら片手で拳を作る姿に、声に出せない怒りが良く現れていた。
成嶋瞳子が身体を張って主婦瞳子を演じている。この方、地元のローカルCMに出演していた。
ゲイの弁護士四ノ宮。彼を後ろから押したのは誰?
アツシの会社の黒田がいい味を出していた。アツシの部屋で彼のやり切れない思いを聞いている黒田が良かった。あの場合、自分なら何て声をかけてあげられるのだろうか。
ほぼ重苦しさ蔓延の作品ながら、どこか共感できる気がした。
脇役が思いの外豪華だった。