ひこくろ

ネオ桃太郎のひこくろのレビュー・感想・評価

ネオ桃太郎(2014年製作の映画)
3.4
これは映画なのかなあ、というのが正直な感想だった。

要素としてはものすごく面白い。
大学の映画サークルの面々が映画を撮る話というのがまずいい。
さらに、監督や役者、スタッフに温度差があって、上手く噛み合わないというのもいい。
自分に酔って強権を振るう監督が、先輩には頭が上がらないのも面白かった。

こういう要素が絡み合いながら、それでも映画ができていく、という話なら映画になっていただろう。
でも、この作品は敢えてなのか、それをしない。
次々と現われるアクシデントを、その場限りのギャグとして描いてしまう。
ギャグのセンスはいいし、キャラも立ってて十分に笑える。
けれど、だから何って気持ちになってしまう。

映像としてのこだわりも完全にギャグ寄りで、どう撮ったら面白いかだけが考えられている感じ。
なので、全体としてのまとまりが極端に薄い。
役者の演技もいいし、映像コントとしてなら一流の作品だと思う。
でも、残念だけど、僕はこれが映画だとは思えなかった。
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