ゴン吉

奴らを高く吊るせ!のゴン吉のレビュー・感想・評価

奴らを高く吊るせ!(1968年製作の映画)
4.0
人殺しの濡れ衣を着せられたカウボーイの復讐を描いた西部劇。

クリント・イーストウッドが主演、インガー・スティーブンスがヒロインを演じ、エド・ベグリーらが共演。

カウボーイのジェド・クーパー(クリント・イーストウッド)が、買ったばかりの牛を渡河していると9人の男たち(エド・ベグリーら)がやってきて、牛の飼い主が殺されたという。彼らは一方的にジェドが犯人であると決めつけて、ジェドを吊るし首にする。
偶然にも馬車で囚人を護送中の保安官が通りかかり、瀕死状態のエドを助ける。ジェドは一旦は投獄されるが真犯人がつかまり放免となる。
ジェドは判事からオクラホマの連邦保安官に任命されて、自分を吊るし首にした9人への復讐の旅に出る。
その際に、判事から9人を殺さずに連れてくるように指示されるが....

1889年当時はオクラホマ全体で19人しか保安官がおらず、裁判所も一つ。
800ドルの大金を払って牛を購入したのにも関わらず、牛泥棒と人殺しの濡れ衣を着せられて殺されかけた上に、無罪放免されたものの戻ってきたお金はたったの11ドル40セント。
復讐の鬼と化すのではと思ったが、元保安官ということもあり意外と冷静。
イーストウッドが無敵のガンマンではなく、何度も殺されかけるなど緊迫したシーンが再三訪れ、BGMも臨場感を盛り上げてハラハラさせられる。
裁判の判決が厳しく、少年も含めて軽犯罪者たちが次々と死刑となり、心が痛む。
極刑判決を下さなければならい判事の葛藤に加えて、法の下での判決の妥当性や理不尽な世の中、赦しなどの重いテーマが交差する。
「ありがとう」
ヒロインとのロマンスを交えながらも厳しい現実を描いており、夕立などの演出も見事である。
正義はどこに向かうのか、余韻の残るエンディングが心に響く。
「逮捕状がまだ二通残ってるぞ」
 
2024.4 テレ東で鑑賞(午後ロード・吹替:木原たけし 訳)
2022.9 テレ東で鑑賞(午後ロード・吹替:木原たけし 訳)
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