しゅん

視覚障害のしゅんのレビュー・感想・評価

視覚障害(1986年製作の映画)
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初ワイズマン。『海は燃えている』などの説明しないドキュメンタリースタイルはやはりここから来てるんだろうなぁ。
盲学校の運営と生活をひたすら映すなかで、組織を動かすための権力構造が浮かび上がる。院長や先生の教育方法や論理から微かに感じられるバイアスがある種の気味悪さを呼び起こすのだけど、決して告発しているわけではない。それは小さな組織の話ではなく「アメリカとは?」「教育とは?」というより大きな疑問に繋がっていくのだ。そうしたマクロな視点も感じさせつつ、カメラが捉えるのはあくまで生活の細部であるという矛盾。オールドスクールヒップホップに乗って踊る子供たちを見て、微笑ましくなると同時に不穏な気持ちも呼び起こされた。めっちゃアップで撮られてるのに誰もカメラを気にしてるように見えないのはやはりすごいな。
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