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フランケンシュタイン ノーカット完全版のsumiccoのレビュー・感想・評価

3.5
3時間の大作。

予想どおり
全体的に暗い仕上がりではあるものの
原作に忠実に沿って作られていたので
当たりの一本だとは思います。

夏休みの課題で
古典小説を読まなければいけなかったのに
まだ1ページも読んでいない!
という8月31日を迎えている学生には
「これ観とけば読んだ風に書けるよ」と
勧められそうなレベル。

それが正しい指導かは別として(笑)


フランケンシュタインというと
一般的には
半眼でぬぼーっとしていて
ほとんど喋れなくて
つぎはぎだらけでボルトが刺さっている
怪力が売りの怪物、
というイメージが強いですが。

今作は 1818年に出版された
”フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス” の
初期設定を守って
怪物を表現してくれたのがよかったです。

ちなみに
怪物自体に名前はありません。
フランケンシュタインは
怪物を創った人の名前です。


神の領域に人間が
足を踏み入れることのなにが悪いって
責任が取れないところにあるんだなあ。

神様ならきっと
自分が創りだしたものを後悔もしないだろうし
復讐されたりもしないだろうし
罪悪感に苛まれたりもしないんですよね。

神の怒りに触れるから、じゃなくて
神にだけ許された行為に
人間ごときは耐えられないから
だから人間は
神に近づいちゃいけないんですね。
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