佳子

沈黙ーサイレンスーの佳子のレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.8
神は己を信じる者がどんなに苦しんでいても
決して答えてはくれない。
果たして、その沈黙に耐えられるか…

遠藤周作の原作は学生の頃既読。
が、ひたすらに重苦しく、非常に読むのがしんどかった覚えがある。
本作も永らくクリップしていましたが、長さとテーマの重さになかなか手が伸びませんでした。
が、やはり観るべき作品だと思っておりやっと観られたなぁという感じ😅

歴史で習った長崎の隠れキリスタン狩り。
踏み絵を踏めなかったものへの残酷な迫害。
自分の命を捨てても日本に神の教えを広げようとした宣教師。

現代を生きる私達からすれば、とっとと転べば(棄教)いいやんという状況でも天国へ行くことに希望を託し、現世に絶望している人々は信仰を捨てない。

仏教もキリスト教も、人を救う筈なのに。
では、邪教とは?
人を救うはずの教えが人を殺す矛盾。
非常に生々しく、何かに縋らずには生きていけない苦しみの中に生まれる信仰心について考えさせられた。
2024-23
佳子

佳子