Taiga

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のTaigaのレビュー・感想・評価

3.7
ワンカットに見えるトリックが巧妙で、群像劇のフィールドが劇場の界隈を決して超えない辺り「ブロードウェイ」に縛られる人々への皮肉を感じる。
縛られると言えば、"ヒーローを演じる"ということは、役者を強烈に縛り付ける性質を持つ。
例えば、演じた数年後のゴールデントーク番組で、アカデミー賞俳優が「あぁ、昔ライダー演ってたんすよ」とサラッと語ることもあれば、演じた十数年後も目立った代表作が無く、BSで「仮面ライダー俳優」という肩書きで、粗末に紹介されてしまうケースも……
まぁ、アメコミ映画でも然り。
それくらい、ヒーローのイメージは、役者にべったりとこべりつき、今後の可能性を閉ざしてしまうこともある。
だから"ヒーローを演じる"ことは、大きな飛躍の翼を与えるか、大きな呪いの足枷を与えるか、とにかく賭けなんだ。
その後者の場合を、バットマンのマイケル・キートンが演じ、取り巻く人物を、ハルクを降板したエドワード・ノートン、グウェンのエマ・ストーンが演じたのは、最高のアイロニーが効いていてエクセルシオールでした。
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