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パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニストのドラのレビュー・感想・評価

4.0
“悪魔のヴァイオリニスト”と呼ばれた伝説の音楽家、ニコロ・パガニーニの生涯を描いた作品。
スキャンダラスな生涯に秘められた真実・・・
異端児で破滅型・・・前代未聞の超絶技法に派手な女性関係、ギャンブル好き・・・
そんなパガニーニの純愛の相手かぁ・・・
この“悪魔に魂を売ったヴァイオリニスト”(ようは演奏技法がすごすぎて神がかってるからこう言われてたらしい)を演じているのがデヴィッド・ギャレット!!
ハマりすぎてて怖いんですけど。なんか21世紀のパガニーニとか言われてるし(・∀・)
天が二物を与えた人物ですね。なんなのこの才能にこのルックス。
そしてそして、監督はバーナード・ローズなんだな~~
「不滅の恋 ベートーヴェン」の監督ですよ。あの作品も賛否両論あったけど、私は大好きで短大生の頃に読者プレゼントで当てたポスターを今でも部屋に貼っているよ。
音楽映画とはすべての音楽ファンと映画ファンが楽しめる娯楽でなければならない、というのがローズ監督の作家性の本質であり、真骨頂だそうです。
クラシックファンはもちろんだけど、女性はキュンキュンくるんじゃないのかな~~。
バーナード・ローズ監督作品じゃないけど、同じくベートヴェンを描いた「敬愛なるベートーヴェン」では、オーケストラを目の前に指揮をしなければならない、耳が聞こえなくなったベートーヴェン(エド・ハリス!)が、彼の写譜師であるアンナの指揮する指先を見ながら2人でオーケストラの音を奏でるシーンとかエロティックで美しくて涙が出るかと思いましたが、
「パガニーニ~愛と狂気のヴァイオリニスト」も、パガニーニに愛をおしえるシャーロットが歌い、パガニーニが伴奏するという設定で登場するアリアがあるんだけど、
ヴァイオリン協奏曲第4番の第2楽章にローズ監督が歌詞をつけ、ギャレットがアレンジした楽曲なのです。
パガニーニが書いた旋律の中でも格別に美しい第2楽章を、パガニーニが愛した女性に歌わせるというのがもうなんともたまらんのですよ!!!
あのアリアはたまらん。
これはもう映画館で観た方が断然世界に入れると思いますけどね。
現代のスーパーヴァイオリニスト、デヴィッド・ギャレットが、
ストラディバリウスで奏でる至高の音楽映画。
クラシックファンならずとも魅了されるはず!
シューベルトの魔王のアレンジも素晴らしいのですよ・・・

★使用曲リスト★
パガニーニ:
24のカプリース Op.1/MS 25~
 第4番、第5番、第9番、第13番、第14番、第19番、第24番
ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.6/MS 21~第1楽章、第2楽章
ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調 Op.7/MS 48~第3楽章「ラ・カンパネルラ」
ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ短調 MS 60~第2楽章
《うつろな心》による序奏と変奏曲 ト長調 Op.38/MS 44
モーゼ幻想曲 Op.24/MS 23
ヴェニスの謝肉祭 Op.10/MS 59
英国国歌《ゴッド・セイヴ・ザ・キング》による変奏曲 Op.9/MS 56
ヴァイオリンとギターのためのソナタ Op.3/MS 27~ 第12番
アリア「あなたを想っているわ、愛しい人よ」(ヴァイオリン協奏曲第4番~第2楽章)
シューベルト:
魔王 Op.1/D328
糸を紡ぐグレートヒェン Op.2/D118
ラフマニノフ:
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43~第18変奏
スカルラッティ:
ソナタ ヘ短調 K.466/L.118/P.501
ロッシーニ:
オペラ《チェネレントラ》~アリア「悲しみと涙のうちに生まれて」
ペツォールト(伝バッハ):
メヌエット ト長調 BWV Anh.114
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