ノリック007

マンデラ 自由への長い道のノリック007のレビュー・感想・評価

マンデラ 自由への長い道(2013年製作の映画)
5.0
ネルソン・マンデラの数々の名言を味わえます。

「成功するために大切なのは、どこから始めるのかではなく、どれだけ高く目標を定めるかである」という言葉の意味が理解できました。
ネルソン・マンデラは、高い目標を掲げ、非現実的とも思われる「復讐したい気持ちはあるが、それ以上のものを望んでいるんだ。恐怖や憎しみのない平和な世の中だ」を実現しました。

何かを始めたいという人には、以下のネルソン・マンデラの名言が心に響くでしょう。
「一人一人は小さくて何もできない。でも、共に闘えば、大きな力になる」
「共に闘えば、力を持てる。団結だ。君や私は、殺されたり、投獄されたりする。しかし、組織は続いて行くんだ。いつまでも、永遠にな」

指導者や政治家になりたいという人には、以下のネルソン・マンデラの名言が心に響くでしょう。
「納得させろ、我々は指導者だ。それが仕事だ」
「私は、あなた方の指導者です。あなた方の指導者である限り、あなた方を導いていくつもりです。そして、あなた方の指導者である限り、あなた方が間違っている時は、いつでも間違いだと言います。そして、あなた方は、今、間違っている」
「指導者には、民衆を正しい方向へ導いているという自信のもとに、群れより先を行き、新たな針路を拓かなくてはならないときがある」
「私は、彼らを赦した。私が、彼らを赦せるなら、あなた方も彼らを赦せるはずです。我々は、戦争には勝てません。でも、選挙に勝つことはできるのです」

「私の長い道のりは、まだ終わっていない。生まれたときから、肌の色、育ちや宗教で他人を憎む人などいない。人は憎むことを学ぶのだ。もし憎しみを学べるのなら、愛を教えることもできる。愛は、憎しみに比べ、より自然に人間の心にとどく」
このネルソン・マンデラの名言が、理解できるようになるならば、この映画を観ただけの価値はあります。

ネルソン・マンデラが少年から、成人し、弁護士になり、成功を収め、人生を楽しみ、人生に満足するだけではなく、民衆を率いていくことに目覚め、非暴力運動を行い、非暴力運動で挫折し、暴力運動を行い、逮捕され、有罪になり、終身刑になり、諦めることなく、努力し、釈放され、民衆を率いて、大統領になるところまでが描かれています。
ネルソン・マンデラが成長していく様子が理解できれば、楽しめる映画です。

人物と物語について、はっきりとわかるようには描かれていないので、ネルソン・マンデラや人種隔離政策(アパルトヘイト)について知っているという人向けに制作されています。
ネルソン・マンデラや人種隔離政策(アパルトヘイト)について知らない人が教養、勉強、知識のために、この映画を見ても理解できないです。

実際に起きた事件を見ることができます。
1960年3月21日に起きた、白人がアフリカ人を虐殺するシャープビル虐殺事件を見ることができます。
1976年6月16日に起きた、アフリカ人の学生が白人に立ち上がるソウェト蜂起を見ることができます。
1992年6月17日に起きた、アフリカ人がアフリカ人を虐殺するボイバトン虐殺事件を見ることができます。

人物や物語を理解したいなら、原作の「自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝(上)」と「自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝(下)」を読んで、理解するしかありません。

自由憲章について、触れられていないのが、残念です。

余談ですが、ネルソン・マンデラたちが、ロベン島の海岸で集め、乾燥した海草は、日本に輸出されていました。
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