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7番房の奇跡のモのレビュー・感想・評価

7番房の奇跡(2013年製作の映画)
5.0
ずっと気になっていた作品をついに… 被告となる知的障害者をめぐる事件は多く、責任能力などをキーとして罪に問えるかまたは問うことができないかという判断は難しく、時に酷く時にやるせない気持ちになる。韓国ではこうした世の中にあるひとつの背景に焦点を当てて作品に取り組むとき本当にそこにフォーカスしているので、この事件の真相のようなところにはそんなに膨らみは持たせない気がするものの上手く作品として成り立たせるよなと物凄く感心する。なぜこの親子だったのか、こんなにもひっそりと、お互いを思いやり一緒にいるただそれだけの時間を愛して過ごしていたのにと何故か私が後悔のような念ばかり抱きながら観てしまった。どうして加害者が障害者だったばかりにと感じる事件もある一方で、強大な権力を行使できる立場の者は自身の感情だけに囚われてしまうならそんな立場に就くべきではない。どの立場も人間が行うことなのでそう簡単にはいかないのはわかるけれど感情を持つ生き物がやる限りこうした冤罪は起こり続けるのだろうなとも思う。7番房の面々との絆や司法と行政である警察との連携における微笑ましい場面も散りばめられつつも、物語はずっっと切なく進んでいくので、たとえふたりが笑い合っていても中盤以降は基本ずっと泣いてた。これ以上は耐えられないと思いながらだった。リュ・スンリョンが大好きなのでまたしんどかったな。。
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