月うさぎ

ホドロフスキーのDUNEの月うさぎのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.2
フランク・ハーバート のSF大作『DUNE』は多くのSFファンにとって、私にとって、そして多くの映画監督にとって、特別な作品だ。映像化が難しいとされるのは、ビジュアルの問題だけではない。
マスターピースとしての存在の大きさ。
アルピニストにとってのチョモランマ。
その上に、ホドロフスキーの存在がある。
映画化が実現しなかったにも関わらず「ホドロフスキーのDUNE」はあまりにも有名だった。
この映画はDUNE映画化の過程をホドロフスキー監督の話を元に、企画はどう進んだのか、人を集め、デザインを決め、ストーリーを描き想像力を駆使して、実現したらどんな映画だったか?まで見せてくれる。

しかしすごいのはDUNEの構想だけでは無い。
ホドロフスキー監督自身だ。
こんなにキラキラした瞳をしている老人を私は見たことがない。
あまりに純粋であまりにも映画愛に溢れて
そしてなんともお茶目で可愛らしい。
彼の夢について行きたくなる。
素敵すぎる。

でも。ホドロフスキーのDUNEが私の理想のDUNEかというと、そうでも無いかな。
ポールは自分の息子だ!っていうのはやめようよ(*^o^*)
デヴィッド・リンチのDUNEが失敗したのはホドロフスキーのせいよね。
そしてその失敗を喜んじゃうホドロフスキーも好きだ。
DUNEは作られなくて良かったのだ。
彼のアイディアは引き継がれる。
想像の翼は不死だ。
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