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インセプションのBOBのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
3.9
クリストファー・ノーラン監督のSFアクション。

夢か現実か。♟

"Don't you want to take a leap of faith? Or become an old man, filled with regret, waiting to die alone!"

初めて観たクリストファー・ノーラン監督作品。よく理解できなかったけど、世界が反転する映像に度肝を抜かれたと記憶している。約10年ぶりの鑑賞。

再鑑賞でも、度肝を抜かれた。ノーラン監督の想像力と創造力に脱帽。ただ、ノーラン節に対するもやもや感が拭いきれなかったので、大絶賛とはいかずこの点数。

ノーラン監督作品の楽しみ方を思い出した。既成概念に囚われてはいけない。ストーリーや設定の整合性を考えることはせず、ある意味バカになって、ノーラン監督が与えてくれるものをそのまま受け入れることが必要。

たとえ細かい欠陥があろうが、そんなことはどうでも良くなるほどの壮大かつ革新的な映像・世界観で、観客を圧倒できたら監督の勝ち。

前半は複雑な世界観の説明にひたすら時間を費やされる。膨大な情報量に混乱させられるだけで、何度か興味を失いそうになった。後半は、怒涛の伏線回収。ミッションが開始されると物語が一気に加速していき、どんどん引き込まれていった。

夢の階層によって時間経過の速さが違うというのが大きなポイント。ノーラン監督作品の特徴の1つに"時間軸の操作"があるが、それには大きく2種類ある。1つは『メメント』『ダンケルク』のように、編集によって時間軸を操作する作品。もう1つは、本作や『インターステラー』『テネット』のように、設定によって時間軸を操作する作品。

超豪華俳優陣。
・世界のケン・ワタナベ!
・後に何度も共演することになるトム・ハーディとキリアン・マーフィの初共演。
・エレン(エリオット)・ペイジが出ていたことは、すっかり忘れていた。
・ジョセフ・ゴードン・レヴィットは、本作といい『ルーパー』といい、SF映画が良く似合う俳優だと思う。
・マイケル・ケインがノーラン作品の8/11に出演していたのは驚きだった。

『オッペンハイマー』の公開が待ち遠しい。聞いたところによると、CGなしで原爆の爆発映像を撮ったのだとか。

"What is the most resilient parasite? Bacteria? A virus? An intestinal worm? An idea. Resilient... highly contagious. Once an idea has taken hold of the brain it's almost impossible to eradicate. An idea that is fully formed - fully understood - that sticks; right in there somewhere."

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