よーだ育休中

アナコンダ3のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

アナコンダ3(2008年製作の映画)
2.0
巨大製薬企業であるウェクセル・ホール社では、会長指導の下で秘密裏に不老不死の研究が行われていた。二匹のアナコンダへ《不死の蘭》から抽出したエキスを投与する動物実験を行った結果、被験体の遺伝子に異常が発生。通常よりも大きく、速く、強く、凶暴な怪物へと変化したアナコンダが、施設の職員を惨殺して脱走してしまう。


◆…これはひどい。

作品の話です。いや、自業自得とはいえ無惨な姿になってしまった研究職員やハンターたちの御遺体もぐちゃぐちゃでひどいものでしたが、今作は内容があまりにもひどい。

大蛇によるアニマル・パニック作品として秀逸な【アナコンダ】は結構好きな作品です。ツッコミどころは勿論ありますが、アマゾンの奥地という秘境を舞台にした《冒険》と、人間を丸呑みにしてしまう巨大な蛇が襲い掛かる《パニック》の要素を合わせつつ、〝強欲な人間が一番怖いよね〟という《スリラー》的な側面を併せ持つ作品でした。人間の手が加えられていないアマゾンの奥地に潜むアナコンダは、ちょっとのびのび育ちすぎていた感はありますが、余計な手心を加えなくとも十分素晴らしい作品に仕上がっていたと思います。

そんな秀作に手心が加えられ始めたのが続編の【アナコンダ2】でした。本来アナコンダが生息していないボルネオを舞台に、《不死の蘭を摂取した事で成長し続けた》という設定の巨大なアナコンダが襲い掛かります。一作目から続投するキャラクターは居らず、舞台も異なるのだから、【アナコンダ】のシリーズにしなければ良かったのに。前作に泥を塗った二作目でした。これが〝蛇足〟ですねわかります。

そんな【アナコンダ2】と地続きになっている作品が今作【アナコンダ3】。不死の蘭(Blood Orchid)と、その効能を研究する製薬企業がそのまんま登場します。あぁ、嫌な予感。


◆ …これはひどい。

前作ではボルネオに自生していた不死の蘭を摂取したことで、延々と成長を続けた巨大アナコンダが襲ってきました。アナコンダといえば獲物を締め上げ、頭から丸呑みにしてしまう恐ろしい捕食方法が特徴ですので、《突き刺す》とか《かじる》とかがあってはならんのです。研究所から逃げ出したアナコンダは、いきなり尻尾で人間を串刺しにしてしまいます。え?

職員や警備員を片っ端から血祭りにあげたアナコンダ。散らかった施設には至る所に犠牲者の姿がありました。身体が食いちぎられ、臓物が飛び出した御遺体の数々。恐ろしくはありますが、蛇が襲った痕跡ではありません。ゾンビ映画やモンスター映画のそれでしたが、これはゴア描写がやりたかっただけですね。作中で『人を尻尾で串刺しにできる蛇などいない!』みないなセルフツッコミのシーンがあった事については大いに評価しましょう。わかってやってるのね。


◆ …これはひどい。

アナコンダの遺伝子異常によって本格的にサイエンスフィクション全開のB級モンスター映画と化した今作でしたが、何が一番酷かったかって、ビジュアルですよビジュアル。肝心のヘビのビジュアルが大変よろしくない。予算がなくてCGが粗いのは我慢しますが、今作はただCGが粗いのではなくてデザインがダメ。頭がデカくてお目々がパッチリって萌えキャラにしたかったのか?一作目ではCGとアニマトロニクスを使い分けて、シーン毎に、効果的に、恐ろしい蛇を演出していたというのに。ラストで登場した赤ちゃんアナコンダたちは本物のヘビを使っていましたが、あれはアナコンダじゃなくてボア・コンストリクターですよね。凶暴なアナコンダは本物が使えないっていうところまでは理解しますが、こういう細かいところも萎えるんだよなぁ。

あぁ、これまだ続編があるのかぁ。怖いなぁ。楽しみにしとこ。