あーさん

ノスタルジアのあーさんのレビュー・感想・評価

ノスタルジア(1983年製作の映画)
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ありがとうTSUTAYA😆レンタルシリーズ 第3弾

初タルコフスキー。
こちらもお噂はかねがね…なソ連(ロシア)の監督。
何となく、パッケージの佇まいから好みかも…と思いながら、実際に自分がどんな反応を示すのか楽しみだった♪

実際、眠くなると聞いていたけれど、どんどん吸い寄せられるように惹きつけられて、、逆に眠くなる余地はなかった。
多分眠くなるとすれば、恐ろしいくらいα波、1/f ゆらぎ♪に満ちているから…?
スカッとするとか泣いてしまうとか、具体的でわかりやすいエンタメの作品に比べると、何となく始まって何となく終わっていく感じ、印象的なシーンは多々あるものの、それぞれが断片的だったり夢の中の出来事だったり、結局何だったんだろう?となってしまうカテゴリ、だとは思う。

しかし、まるで絵画のように美しい映像と詩的で哲学的なセリフ、独創的な演出による唯一無二な世界観に、終始目が釘付け。。
さすが、"映像詩人"と言われる所以である。
観ているだけで、その圧倒的な美意識に飲み込まれそうになる、と言えば大袈裟か。

タルコフスキーは、故郷ソ連を離れ、自由を求めて亡命した人だという。
今作の主人公、ロシアの詩人アンドレイ・ゴンチャコフは、その地で自殺した18世紀の音楽家サスノフスキーの取材目的で、イタリアのトスカーナ地方を訪れる。
彼は、既に不治の病に冒されていた。
アンドレイとサスノフスキー、更にタルコフスキーを重ねて観ると、アンドレイの死への恐怖、心の葛藤、故郷ソ連への懐古…その全てに合点がいく。

通訳のエウジェニアと旅先で出会った狂信的な男ドミニコのサイドストーリーが、アンドレイの人生と交錯して、深い味わいになっている。
呼応するキャラクター達。
宗教的な背景がきちんと理解できなかったとしても、複雑に絡まり合う登場人物の心のありようを探し求める旅。
私達はきっと、アンドレイと共に旅をしている。

人はどこで生まれ、どこへ帰っていくのか?

どんなに遠くなっても、故郷への想いは変わらないどころか、強くなるばかりだ。
心地よいあの場所へ、帰りたい。

女性であるが故に悩みを深めるエウジェニアの嘆き、世界を救いたいが為に神に傾倒していくドミニコの狂信。
何が正しくて、何が間違っているのか?
あまりにも静かなラストシーン。

光、水、火、雨、霧、少女、家族、犬、陰影…

沢山のシーンが、脳裏に浮かんでは消える。

ノスタルジア、、
それは、それぞれの心に宿るもの。母なるもの、生命の源。

静謐で、とても贅沢な時間だった。。

大切にしたい作品が増えた。
何度でも観たい。



因みに、、
ノスタルジアは英語で、ノスタルジーはフランス語。。
知らなかった!









*MEMO
・トルストイ
・プーシキン
・マキャベリ
・1+1=1
あーさん

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