そこまでして何故ツアーを続けるんだろう
どうしてバンドやってるんだろう
…そもそも、どうして音楽やってるんだろう?
メンバーのみならず、当時のスタッフや関係者のインタビューには
記憶と記録だけではないそれぞれの想いがあった
年間113本という驚異的な本数のライブツアー
まさしく"パンチドランカー"
そもそものスタートから
その前に出演したフジロックで受けた精神的な痛手を纏ったまま
音楽って、仲間と一緒に演奏するのって
観客の熱気を感じるのって
楽しいんじゃないの?
嬉しいんじゃないの?
翳りは澱のように沈んでいき
カメラ越しにもその疲れた表情から
彼らの焦り、苛立ちが伝わる
打たれてもまたリングに上がるボクサー
アンコールを終えて袖に数歩で倒れ込むロビン
「やったよ、やり遂げたよ」涙をうかべながら
必死にライブを続ける一方
「このツアーは僕個人としては失敗でした」と言ってしまう
やるしかない、けれども
これじゃない、ダメだったことがわかっている葛藤
ヒット曲は知っていたけれど
彼らのライブには行ったことがなく
このツアーの数年後にバンドを解散して
ソロ活動をしていたロビン=吉井さんのライブには何度も通うようになっていた
彼、そして彼らの紡ぎ出す"音楽"には
キャッチーなもの、明るいメロディのものもあるけれど
どこか漂う憂い、そこが私たちを惹きつけてやまない魅力のひとつなんだろう
それはやはり
絶頂期と言われたこのツアーの
裏側にあったひとつひとつの出来事や
それに纏わる感情の揺らぎ
そういったものが意識せずとも
その音に染み付いているから
今回は新宿ピカデリー初の「ライブ音響上映」
バンド再結成前後の「オトトキ」もラインナップに入っていて、両方観れば彼らの過去から現在に触れることができる
ツアー最終公演の楽屋で流れた
ジプシーキングスの「マイウェイ」が
明るくも切なくて
そこから「so young」の流れで
パンドラの箱の底に残った"希望"が
「オトトキ」まで繋がり
"どうしてバンドやってるんだろう"
に「プライマル。」でひとつの解答が…