#1261 作品賞(86/95)
1987年 イタリア🇮🇹/イギリス🇬🇧/中国🇨🇳
監督・脚本はベルナルド・ベルトルッチ
製作はジェレミー・トーマス
製作総指揮はジョン・デイリー
出演者
ジョン・ローン、ジョアン・チェン、
ピーター・オトゥール、坂本龍一
音楽は坂本龍一、デイヴィッド・バーン
蘇聡
第60回アカデミー賞作品賞他 9部門受賞
西太后が溥儀を清朝皇帝指名した1908年からこの映画は始まる。ところどころに第二次世界大戦後に建国された「戦犯」収容所に収容された溥儀の尋問場面が入る。
日本の侵略、中国の内乱、独立、激動のアジア情勢の中、溥儀は中華民国で日本の協力を得て満洲国の皇帝になる。その後退位し、ソビエト連邦に抑留された後、文化大革命のさなかに一市民として死去する1967年までの数奇な人生を描く。
まさに歴史に翻弄された人物。
成人になるまで紫禁城から全く出ることはなく過ごした人物が、まともな人生を送れるはずもない。
ただ心の窓になったのは家庭教師のジョンストンからの教えだけだ。
取り巻きがすごい、宦官だけで1000人、それに女官が何百人、彼等もまた生きるために異常な生活を続けている。
歴史の流れに逆らい自分たちの社会を変えようとしない紫禁城の暮らしは、日本の満州国、ひいては日本そのものがこれと同じだったと思い知らされる。
当時の中国の姿を映像で見たことはない。見たことがあるのは西太后の写真だけだが、そこから想像していた場面がそのまま動き出し、映像になっているような錯覚に陥る。すごい美術、衣装、映像がアカデミー賞受賞もうなづける素晴らしさだ。
ジョン・ローンについて書こうと思い、そう言えば主演男優賞はとっているのかと思い、調べたらノミネートもされてなかった。😲
しかも受賞が「ウォール街」のマイケル・ダグラス。えーっという感じ。
9部門受賞している映画で堂々たる主役の演技を見せたジョン・ローンが受賞してないのは不思議としか言いようがない。どうなのアカデミー賞!
坂本龍一の音楽はアカデミー賞作曲賞に値する素晴らしさ。映画を盛り上げるいい曲を書いている。
2023.06.23視聴296