月うさぎ

グランド・イリュージョンの月うさぎのレビュー・感想・評価

グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)
4.4
トリックもストーリーの謎も全部解っちゃったという人、嘘発見器にかけますよ(笑)
騙されるのが異常に嫌な人は映画やマジックショーを観ちゃダメでしょ。それよりカウンセリングに行った方がいいですよ。
という訳で、これは「映像を楽しみ」「騙される快感」に浸る映画と思って下さいね。
イリュージョンやマジックの美しい事!!
魅せる演出に徹底していて心を奪われる事間違いなしです。

ジェシー・アイゼンバーグが「もし気に入らなかったら、もう数回観てみて」と言っているように、見直すとさらに面白い。場面ごとに確かに伏線や意味深な表現が嵌め込まれていて、この表情はそういう意味だったのねと驚く発見があるでしょう。ジェシー・アイゼンバーグ曰く、再共演のウディ・ハレルソンとはアドリブシーンも多く、お互いのアィディアを競っていたそうです。この二人の俳優とキャラクターがこの映画のニュアンスを決定しているのでキャスティングの勝利という部分も大きいでしょう。(本作を気に入った方はぜひ「ゾンビ・ランド」も観てみてほしいです)
間の抜けたシーンに見える所にも意図があり脚本に無駄がなかったですね。
(でも恋愛要素は無くても良かったかな)
過剰演出もあるし都合良すぎな点もあるし(なんで先読みして準備できたのよ)、プラン自体の目的がよくよく考えるとフォーホースメンが利用されちゃってるだけ?な気もするけれど、騙された爽快感の方が勝ります。

モーガン・フリーマンが演じるサディアスはイリュージョニストたちの不可解な犯罪のトリックを暴こうとする元マジシャン。彼がこの役を引き受けたことも大きいですね。サディアスの立ち場の謎が深まります。
「そもそもトリックを暴くというのは下品な行為だと思うね。“どうやってやったんだろう?”とタネを解きたがる人もいるけど、一観客としては騙されるのもまた楽しいはずだよ」
モーガン自身の言葉がこの映画を観る態度への一つの答えであると私は思いました。

イリュージョンも映画も似たところがありますね。しかし映画には人間の物語があります。
「グランド・イリュージョン」に隠された物語を楽しみましょう。俳優さんたちの作り上げたフォーホースメンたちのキャラクターも最高にカッコいいですよ。

特にジェシー・アイゼンバーグのファンの方には、唯一無二(?)の自信に満ちたカッコいいジェシーが観られますから必見です!相変わらず二倍速の早口で女の扱いは酷い男だけど(笑)
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