下宿先の屋根裏を徘徊し、住人たちの淫らな私生活を覗き見することに快感を覚える青年。
そして、彼は次第に恐ろしい犯罪に手を染めていく。
江戸川乱歩原作の映画化。
江戸川乱歩というから明智さんが出てくるミステリーなのかと思いきや、ミステリーだけど日活ロマンポルノの映画でした。
乱歩っぽい倒錯したエログロ。
知らずに全部見てこりゃびっくり。
宮下順子さん、すごくセクシーで素晴らしい女優さんです。
おそらく観客の8割はボンノウを刺激されるであろう・・・。
前に観たエロチックな『屋根裏の散歩者』に比べて、こっちのがよっぽどエロチックです。
比較対象が微妙かもだけど、『氷の微笑』といい、エロの衝動と暴力衝動、殺人への衝動って、本能的という意味では近いところにあるのかもね。
内容は、高等遊民と呼ばれる今でいうニートが、暇で仕方が無いので人の家のエッチを屋根裏から覗き、覗かれる方の奥様もまんざらでもないみたいな感じで、最後は奥様の変態な趣味を知っている人やそうでもない人を次々に殺していくって話だった。
何これ?って思った。
見られる事が大好きな奥様役の宮下順子さんは綺麗だった。
一見、上品で清楚な感じだった。
彼女は、見られる事に目覚める前からマニアックな性癖の持ち主で、町で拾ってきたピエロの格好をした男に、ピエロの格好のまま自分の相手をさせて、
「ピエロ♡ピエロ♡」
と言って喘いでいた。
ピエロはピエロで
「奥様♡奥様♡」
って言っているし。
雰囲気は退廃的で真面目なんだけど、そこがまた笑いを誘った。
あまりに超展開だったので面白かった。
奥様の衣装はドレス姿ばかりだった。
ドレスの色の組み合わせが個人的に気に入らなかった。
折角時代が大正・昭和頃の話なので、着物姿もあったら良いのにとは思った。
とりあえず日活ロマンポルノは興味あるのだが、どこから入ればいいのか判らないとゆう人には、この作品からはどうだろうか?
わたしも屋根裏から違う世界をみてみようかしら。