Genichiro

ラストタンゴ・イン・パリのGenichiroのレビュー・感想・評価

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)
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「名調子だ!!」って笑う。しかしこのような無様な形で「肉迫」しようとするのは今作においてベルトルッチが行ったことそのものではないか?今作によってマリア・シュナイダーの人生は大きく狂ってしまった。そしてベルトルッチは映画監督として名声を手にするわけで、映画を見る人間としてこの対比について考えざるを得ない。何よりベルトルッチがマリア・シュナイダーに謝罪することなく亡くなったことを思うと惨憺たる気持ちになる。しかし、キム・ギドクの件と同様に、それ以降まるで映画史に彼らが存在しなかったかのように振る舞うのは不可能だろう(そんなことができると思っているようなやつは最初からベルトルッチを見ずに済むような人生だったのだろう)。いまだにこのことについて考えてしまう、そして答えは出ない。
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